ライターmeetsアクター朗読劇「旅」ありがとうございました
ライターmeetsアクター 第一回朗読劇公演
「旅〜5つのディスティネーション〜」
お陰様で、千秋楽が終わりました。
8月21日に配役のメールを受け取り、8月24日に脚本を受け取って、9月15日に顔合わせと本読みを行い、計6回の練習と、ゲネプロを経て本番でした。
私のいただいた脚本、「ニューヨク・イン・ザ・ダーク」は朗読劇として読むと20分程の作品なのですが、その中で私に配役された山内穂香をどう演じるか、とても、とても、悩んで悩んで悩み抜きました。
何が上手くいかないか分かっていると、上手くいかないなりにここを直していこうというものが見えるのですが、正直、今回は何がこんなに上手くいかないのかが分からず、苦しみました。
普段お酒をあんまり飲まないのですが、特に本番前2週間は、毎晩お酒を飲んで穂香のセリフを読んでから寝ていました。
それでも何が上手くいかないんだろう、とずっとずっと引っかかったまま小屋入りしました。
この朗読劇は短い5本の脚本が順番に上演されるのですが、他チームの脚本はゲネプロまで見ることができないので、ゲネプロのとき初めて、
5作品中この作品だけが群像劇なんだな
と気付きました。
あーこれが今回私が感じた難しさなのかなー、と。
群像劇は主役にずっとスポットが当たっているわけではなく、各登場人物それぞれにスポットが当たるタイミングがあるわけで、
そうなると、単純に自分の役の気持ちや設定だけではなくて、順番に各登場人物にスポットが移っていくその「テンポ感」が大切なのだな、と。
声優のお仕事は、アニメでも外画吹替でも、映像のテンポに合わせることが前提で、役者がテンポを作ることはほぼないです。
主役がある朗読劇や演劇は、その主役をいかに引き立てるかに焦点が絞られると思うのですが、群像劇となるとそうはいかず。
テンポ
テンポ
テンポ
いや、お勉強させていただきました。
あと今回初めてチケット売り上げランキングが出るシステムに参加して、同時期にTwitterも初めて、
「あー、自意識からは逃れられないなー」
と思いました。
これ、大好きな若手の舞台俳優さんがワークショップでおっしゃっていたことなのですが
「ぶっちゃけどこの劇団だって上手い下手以前にチケット捌ける役者が欲しいに決まってるんだよ、俺たちはそれで飯を食っていくわけだから」
このセリフを思い出しましたね。
ワークショップを受けた当時は高校生でしたが、ありありと。
だって数字追いかけてたもん。
売り上げランキング気にしてたもん。
私は周りの友人に恵まれておりましたので、最終的にはチケット売り上げランキングは役者個人2位までいきました。
お客様全員知り合いでしたけども 笑
うーん。
難しい。
娯楽業って。
演劇は芸術でもあり娯楽でもあるので。
・芝居の上手い下手
・個性
・人気
等々…
色んな要素があるわけですよね。
それが全部バチっとハマって上手いこといくことって、私が生きてる間にあるのかなーなんて思ったり。
でも私が、苦しくてももう演じることを辞められない域まで来てることは実感できました 笑
好きなだけならとっくに趣味にしてるもんね 笑
ここまで売れてなければ 笑
千秋楽の日、私は私に花束を買いました。
私が選んでいるから、世界一私好み。
いつかたくさんの人からもらえる人になりますように。
最古参ファンとして。
苦しかったね。
でも好きなら、続けなきゃ。
自分のことを好きになるために、私が私に送った花束。
ほら、たくさんの人が観に来てくれたんだよ。
数人だけど、私のこと知らない人が、私のこと好きって言ってくれたんだよ。
売れてなければ売れるまで頑張ればいいよ。
この朗読劇に関わってくださった全ての皆様へ。
本当にありがとうございました。
愛を込めて。
河合 凌子